ハリウッド女優エマ・ストーンが主演を務めるSF映画『ブゴニア』が、独自のマーケティング手法で大きな話題となっている。

映画公開に先立ち、10月20日にカリフォルニア州・ロサンゼルスで開催された試写会では、「『ハゲ』の観客のみが入場可能」という前例のない条件が提示された。髪の毛がない人はもちろん、肌が見えるほど髪が薄い人も入場が許可された。
特に、通常は髪の毛がある観客でも、現場で髪を剃る意志があれば入場できたという。
ロサンゼルスのカルバー・シアター前には、試写会に合わせて特設の理髪スペースが設けられ、午後6時までに到着した一部の観客は、専門の理髪師のサポートを受けながらその場で髪を剃った。
当日、すっきりと髪を剃った観客は「#Bugonia」というハッシュタグとともに、自身の変わった姿をSNSで共有し、イベントを大いに楽しんだ。
このような独自の入場条件は、映画の核心シーンと深い関係がある。『ブゴニア』は、2003年に韓国で公開されたチャン・ジュンファン監督の映画『地球を守れ!』のリメイク作品で、SFと心理スリラーの要素が融合された物語である。
原作では、俳優のシン・ハギュン、ペク・ユンシク、ファン・ジョンミンが主演を務め、当時7万人の集客の動員にとどまり、興行的には失敗した。しかし、その斬新な発想とブラックコメディ的な風刺が再評価され、「不遇の傑作」と称されてきた。
リメイク版である『ブゴニア』では、原作のカン社長(ペク・ユンシク扮)が性別を転換し女性キャストとなった。
『アメイジング・スパイダーマン2』、『ラ・ラ・ランド』、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』などで知られるエマ・ストーンが、カン社長に相当する巨大製薬会社CEOミシェル・プラー役を務める。
物語は、ミシェル・プラー(エマ・ストーン扮)が「人間に擬態した宇宙人」と疑う男性テディ(ジェシー・プレモンス扮)とドン(エイダン・デルビス扮)によって誘拐される展開を描く。そして、その正体を確かめるために、二人の男性が強制的に彼女の髪を剃るという衝撃的なシーンが登場する。
エマ・ストーンはこのシーンのために実際に髪を剃ることを決意した。ハリウッド女優にとって髪を失うことは大きな覚悟を必要とするが、彼女は役への没入のため、あえてこのような変身を敢行した。
このリアルな変化は予告編でも印象的に描かれ、観客の間で話題となった。

脚本を担当したウィル・トレイシーは「元々ハゲの人たちは運が良かった」と冗談を交え、イベントは終始和やかな雰囲気で進行した。
試写会に参加した観客からは、「ちょうど髪を剃るタイミングだったので運が良かった」、「この日のために先週から帽子をかぶっていた」という声が挙がり、イベントを積極的に楽しむ様子が伺えた。数日後、ニューヨークで行われたプレミアイベントで、エマ・ストーンは試写会について「本当に楽しかった」と感想を述べた。

ネットユーザーからは、「ハゲ限定のアイデアは素晴らしい」、「これは映画というより参加型アートだ」、「僕のハゲ人生にもついにスポットライトが当たった」といった様々な反応が寄せられた。
一方、映画『ブゴニア』はヴェネツィア国際映画祭、テルライド映画祭、ロンドン映画祭、釜山国際映画祭などの主要映画祭に招待され、今年の期待作として注目を集めている。
今月24日、アメリカの一部劇場で公開され、今月31日からアメリカ全土で上映される予定だ。韓国では11月5日に公開される。
 
				 
															
 
															













