1988年に公開されたアニメーション『天国から来たわんちゃん』は、30年以上経った今でも多くの人々の心を打つ作品だ。
主人公の犬チャーリーが天国へ旅立つ際に少女マリと交わす最後の会話は、観客の涙腺を刺激する名シーンとして挙げられる。しかし、この美しいシーンの裏には、現実よりも胸が痛む物語が隠されている。

マリ役の声優を務めたジュディス・バーシは、当時10歳の子役だった。彼女は幼いながらも優れた演技力で注目されていた新星だった。
しかし、ジュディスの家庭環境は決して平凡ではなかった。父親からの持続的な家庭内暴力に悩まされていた状況だった。
悲劇は映画の録音作業を終えた直後の1988年7月に起こった。ジュディスの父親は深夜、眠っていた娘を銃で殺害した。その後、妻も殺害し、自ら命を絶つという一家惨事が起こった。
ジュディスは11歳の誕生日を迎える前にこの世を去った。
ジュディスの死は、共に作業をしていた仲間たちに大きな衝撃を与えた。特に主人公チャーリー役を務めた俳優バート・レイノルズは、普段からジュディスを実の娘のように可愛がっていたと知られている。
彼はジュディスがこの世を去った後も残された録音作業を完了しなければならない状況に置かれていた。
バート・レイノルズは後にメディアインタビューで当時の心情を語った。ヘッドフォンを通して聞こえてくるジュディスの声を聞きながら録音を進めることがどれほど苦痛だったかを回想した。
特に映画の最後のシーンで「私も愛してる」(I love you, too.)という最後のセリフを言うときは、感情を抑えきれずに何十回も録音をやり直さなければならなかったと伝えた。
映画の中でチャーリーとマリが交わす最後の会話は、さらに胸が痛く迫ってくる。世を去る直前、マリに別れの挨拶をするチャーリーにマリは「私たちまた会えるの?」と尋ねる。
するとチャーリーは「もちろん、知っての通り別れは永遠じゃない」と答える。するとマリは安心したように「それなら大丈夫。さよならチャーリー。愛してる」と別れの挨拶をする。
その言葉を聞いたチャーリーは、涙をこらえるように小さな声で「私も愛してる」と最後の挨拶を伝えた。
映画の中では犬のチャーリーが少女マリを見送って別れを告げるが、現実では大人のバートが幼いジュディスを見送って最後の挨拶をしなければならなかった。
別れは永遠ではないという映画の中のセリフは、今やファンにとって単なるセリフではなく、短い生を終えた小さな天使ジュディス・バーシを追悼する最も悲しい文として記憶されている。
このセリフはジュディスの死を知った後、さらに胸が痛く聞こえる部分だ。

『天国から来たわんちゃん』は公開当時、興行では大きな成功を収めることができなかった。しかし、時が経つにつれて作品の真価が再評価され始めた。特にジュディス・バーシの物語が知られるようになり、映画への関心が再び高まった。
彼女の物語は映画史上最も悲しいビハインドストーリーの一つとして記録され、作品にさらに深い意味を与えている。
さらに、ジュディスの短い生涯は多くの人々に児童虐待問題の深刻さを思い起こさせるきっかけとなった。
残念ながら短い生を終えたが、「別れは永遠ではない」というセリフのように、ジュディス・バーシの澄んだ純粋な声は映画の中で永遠に生き続け、観客の心を打ち続けている。
