有名芸能人を標的にした悪質な誹謗中傷の動画を制作し、莫大な利益を上げたYouTubeチャンネル「タルドク収容所」の運営者が、控訴審においても検察側より実刑を求刑された。
今月16日、仁川(インチョン)地方裁判所刑事控訴1-3部(チャン・ミンソク部長裁判官)は、情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律違反(名誉毀損)などの容疑で起訴された元クリエイターA被告(37歳)の控訴審初公判兼結審公判を開いた。
一審裁判所はA被告に懲役2年・執行猶予3年を言い渡し、120時間の社会奉仕と役2億ウォン(約2,112万6,909円)の追徴を命じた。その後、A被告は刑が重すぎるとして控訴し、検察も刑が軽すぎるとして控訴した。
検察側はこの日の公判で、A被告に一審と同様の懲役4年を言い渡すよう求めた。検察は「被告は有料プログラムの運営などの犯行により2億ウォンの利益を得て、その罪責は重大である」とし、「被害者が多数存在し、彼らからの許しを得た事実がないことを考慮した」と求刑理由を説明した。

一方、A被告側の弁護人は最終弁論において「被告は自身の行為により、メディアと大衆からの非難を受け、被害者が感じた苦痛と事案の深刻さを深く認識している」と主張した。そして「被害者が和解を望まず、一審判決前に供託を行い、自発的にYouTubeチャンネルを削除した点を考慮すれば、原審の量刑は過重である」と反論した。
A被告は最終陳述において「ネット上の投稿やコメントを総合して動画を制作することは、人々の知る権利を充足する行為だと考えていた」と述べ、「今ではその行為がどれほど大きな誤りであったかを痛感している」と語った。
続けて彼は、「事件以降、私の身元は世間に知られ烙印を押された状態であり、精神科の治療を受けながら毎日を耐えている」と述べ、「私の過ちを深く反省し、正しい社会の構成員として生きるチャンスを最後に与えてほしい」と訴えた。
さらに、A被告は「(原審の量刑は)私に与えられたすべてを喪失する重い処分である」とし、「本件に関連する全額ではなく、私が実際に得た利益に対してのみ追徴してほしい」と要請した。
A被告は2021年10月から2023年6月まで、自己が運営するYouTubeチャンネル「タルドク収容所」においてグループ「IVE」のメンバー 、チャン・ウォニョンら芸能人やインフルエンサー7名を対象に中傷内容の虚偽動画を23回投稿した容疑で起訴された。
そしてA被告は、被害者のうち5名の外見を侮辱する内容の動画も19回投稿した。A被告は複数のグレードで構成された有料会員制方式にてYouTubeチャンネルを運営し、約2年間で総額2億5,000万ウォン(約2,640万8,636円)の利益を得て、その犯罪収益により不動産などを購入したことが明らかとなった。
A被告に対する控訴審の判決公判は、11月11日の午後、同一法廷で行われる予定である。