家族3人を失った遺族、「私だけが生き残った」と悲痛な叫び
全羅南道(チョルラナムド)の務安(ムアン)空港で発生した済州航空機事故で妻と2人の子供を失った遺族が、「家族3人を一度に失った」と悲痛な思いを吐露した。
先月30日、韓国のCBSが運営するYouTubeチャンネル「ノーカットニュース」に、済州航空事故の遺族協議会パク・ハンシン委員長が事故翌日、空港待合室で遺族に説明を行う様子が公開された。
一部の遺族は、事故機に搭乗していた家族の身元確認が進まないことに苛立ちを見せた。ある遺族は「なぜ合同慰霊所を設置するのか。私は家族3人を失ったんだ」と涙ながらに叫び、「タイで一緒に過ごしていたのに、私だけが生き残った。なぜ務安総合スポーツパーク(体育館)で無駄なことをするのか」と怒りをあらわにした。
彼は「なぜ事故が起きたのか、その原因を知るべきだ」と訴え、「私だけが生き残ってしまった」と苦悩に満ちた心情を吐露した。
悲しみと怒りに押しつぶされそうになり、よろめきながら立つ姿が見る者の胸を締めつけた。しばらくして、周囲の人々の励ましを受け、ようやく感情を落ち着かせる様子を見せた。
務安空港1階に合同慰霊所設置、遺族の要望受け全羅南道が対応
愛する家族を失い、事故原因の解明が遅れることへの遺族の切実な訴えに、ネットユーザーからは、「その心情は計り知れない」、「楽しい旅行に送り出した家族を失い、一人取り残された父親たちの悲しみは想像を絶する」、「自分だけが生き残り、残りの家族全員を一度に失った状況で正気でいられる人はいない」、「『私だけが生き残った』という言葉に胸が締め付けられる。まるでこの世に一人取り残されたような気分だろう」、「あの叫びを聞いたら涙が出る」などと反応し、深い悲しみと共感が広がった。
先に国土交通部と務安郡が設置した合同慰霊所は、務安空港から約10km離れた務安総合スポーツパークに設けられたが、空港から遠いとの指摘が上がっていた。これを受け、全羅南道は空港1階にも合同慰霊所を設置することを決定し、31日から運営を開始することとなった。