タイのレストラン、体型別割引イベントで賛否
タイのチェンマイにある飲食店が、ユニークな割引イベントで注目を集めている。
この店では、客が設置された狭い通路を通過できれば割引が受けられるイベントを実施中だ。米メディア「ニューヨーク・ポスト」や「デイリー・メール」によると、外国人男性が挑戦する様子を収めた動画が拡散し、イベントの存在が広く知られるようになった。この動画は再生回数990万回を超え、大きな反響を呼んでいる。

店内には5段階の幅で区分された通路が設けられており、客が通過できた隙間の幅に応じて割引率が決まる仕組みだ。最も狭い通路を通過すれば20%割引となり、次いで15%、10%、5%、そして最も広い通路は割引なしとなっている。動画では、ある男性が何度も挑戦を繰り返すも、最終的に5%割引の通路をかろうじて通過する様子が映されていた。
このイベントが拡散されると、ネット上では賛否両論が巻き起こった。一部からは「体型による差別だ」、「摂食障害を助長しかねない」といった批判や懸念の声が上がった。一方で「面白いアイデアだ」という好意的な意見も多く寄せられた。
類似の事例は過去にも存在した。2018年、中国・済南市のレストランでは、幅15cmの通路を通過できた客に対し、食事とビールを無料で提供するイベントが行われた。当時、店側は「お客様に楽しんでいただくために企画した」と説明している。
マーケティングの専門家は、こうした体型を利用したプロモーションについて、肥満差別の懸念と健康促進という二つの視点から社会的議論を呼びやすいと指摘している。消費者の関心を集める効果はあるものの、デリケートな問題を含むため、実施には慎重な判断が求められると分析している。