雪にイライラする人とワクワクする人
27日の早朝、韓国では全国で初雪が観測された。予想以上に大雪が降ったことにより通勤混雑を引き起こし、満員電車の中ではイライラしている人々が多く見られたという。
しかし、雪がすべての人にとって「美しいゴミ」というわけではない。
地上に出た瞬間、街に降り積もった雪による美しい「雪景色」を目にし、ワクワクした気持ちでスマートフォンを取り出し、輝く雪景色を撮影する人もいたのだ。
初雪を見て昔の初恋の人を思い出す、なんていう人もいたかもしれない。また、降り積もった雪のおかげで、デートの際に普段以上のドキドキを感じた人もいただろう。
朝鮮時代、初雪の日は「エイプリルフール」…王たちの遊び心
このように、初雪を見て感じることは人それぞれで、時代によっても違いがあると言われている。朝鮮時代には、王に嘘をついても許される日とされていたのだ。
過去の記録によると、1418年11月24日にその年の初雪が降り、世宗が即位して初めての雪の日だったという。
上王(王位を譲った君主を指す)の地位であった世宗の父・太宗は、宦官の崔侑に対し、雪を箱に少し集めてくるよう命じたとされている。
そして「これを老上王へと持って行き、滋養食だと伝えなさい」と指示した。ここでの老上王とは、太宗の兄である定宗を指す。
定宗は、箱を持ってくる宦官を見て、すでにいたずらだと察知したという。すぐに「あいつを捕まえろ」と命じると、崔侑は雪の箱を投げ捨てて素早く逃げ出し、定宗はそのような状況を見て大笑いしたという話が伝えられている。
当時、初雪を贈り物として送った場合、受け取った人が一杯奢るという風習があった。また、贈り物を受け取る前に気付き、雪の使い人を捕まえた場合、贈り物を送ろうとしていた人が逆に奢らなければならないと言われていた。
初雪の日、年配の前国王と前々国王がまるで子供のように無邪気に遊んだというわけだ。
農業を基盤としていた朝鮮時代において、初雪は重要な意味を持っていた。翌年の豊作を予告する重要な兆しであったからだ。そのため、めでたい日には王を騙しても罰せられなかったようである。
そして、2013年のSBSドラマ「星から来たあなた」では、新たに意味を解きほぐしたとされている。
劇中で、登場人物のイ・ファが「初雪が降りましたね。朝鮮では初雪の日には、どんな嘘をついても許されるのです。王に対して嘘をついたとしても、唯一許される日なんです」というセリフを述べる。
すると、男性主人公のミンジュンは「あなたのことが好きです」と恥じらいながら告白するのである。
制作スタッフ側は「特定の日をエイプリルフールと定め、計画的に嘘をつく西洋の習慣とは異なり、初雪の日をエイプリルフールとした先人たちの定めには、風情と趣が込められた知恵がある」と、当シーンに関して説明したという。
コメント0