宮中の陰謀がクライマックスを迎えた中でもプロポーズからキスまで
韓国のテレビ局tvNのドラマ『暴君のシェフ』第10話は宮中の陰謀の頂点を描き、視聴者の緊張感を最高度に高めた。
大軍暗殺という冤罪を着せられ獄舎に収監された大領宿主のヨン・ジヨン(ユナ扮)と、恋人を救うために理性を失ったヨンヒ君イ・ホン(イ・チェミン扮)の姿が描かれ、没入感は一層高まった。
第10話の中心には、ヨンヒ君の妻カン・モクチュ(カン・ハンナ扮)の残酷な策略があった。ヨン・ジヨンが心を込めて用意したスラ(王の食膳)を口にしたジンミョン大君(キム・ガンユン扮)が血を吐きながら倒れる事件が発生し、ヨン・ジヨンは反逆罪人に仕立て上げられた。

ジャヒョン大妃(シン・ウンジョン扮)は激しい怒りを露わにし、直接ナイン(厨房で働く人)たちを率いてヨン・ジヨンを連行し、拷問まで執行すると宣言し、周囲の人物たちに衝撃を与えた。
華麗な宿主服を脱ぎ、みすぼらしい囚人服姿で獄舎に収監されたヨン・ジヨンの姿は視聴者の心を痛めた。これはヨン・ジヨンを宮中から追放しようとするカン・モクチュの緻密な策略の一部であった。
イ・ホンは、これから訪れる悲劇を全く知らぬまま花園でヨン・ジヨンを待っていた。しかし、彼女が現れなかったため不安に駆られた中、彼女が「大軍暗殺 容疑」で獄舎に収監されたとの知らせを受けた。
直ちに獄舎へ向かったイ・ホンは、想像を超える惨状のヨン・ジヨンの姿に直面し、悲しみがすぐに抑えがたい怒りへと変わった。
彼は獄門を壊せと叫び、ジャヒョン大妃と正面から対峙、刀を向ける極端な行動を見せ、恋人を救おうとする切実な意志を露わにした。
このシーンは今回の回で最高の名シーンと位置付けられ、愛する人を守ろうとする切実な思いと王室の法を破る危険な覚悟が交錯し、緊張感を生み出した。
その後、イ・ホンと助力者コンギルの執念ある追跡の末に、カン・モクチュの策略が天下に明らかになった。決定的な証拠が明るみに出ると、ヨン・ジヨンは不当な冤罪を晴らし釈放され、ジンミョン大君も命を取り留めた。
獄から釈放されたヨン・ジヨンは再びスラを用意してイ・ホンを迎えた。抑えきれない愛おしさに駆られたイ・ホンは、真心の告白とともにプロポーズを行い、指輪を差し出して伴侶となるよう伝えた。ヨン・ジヨンはキスで応え、二人の愛が深まったことを示した。
しかし、幸福は長続きしなかった。第11話の予告では、正体不明の怪漢に拉致されるヨン・ジヨンの姿と、彼女を救うために血の復讐を予告するイ・ホンの怒りが描かれていた。

「本当に止められないのか?」というヨン・ジヨンの独白は、愛する恋人が暴君へと変貌していく過程を見つめる悲劇的な心情を代弁し、哀しみを一層募らせた。
『暴君のシェフ』は、恋人を救うために血に染まる道を歩むイ・ホンと、そのような彼の姿を阻もうとするヨン・ジヨンの交錯する運命がいかに展開するか、視聴者の好奇心を掻き立てている。

一方『暴君のシェフ』第10話の視聴率は、視聴率調査会社ニールセン・コリアによると、首都圏平均15.9%、最高17.6%、全国平均15.8%、最高17.3%を記録した。これは地上波を含むすべてのチャンネル同時視聴率で1位の記録である。
20歳〜49歳の男女視聴率では、首都圏平均5.7%、最高6.1%、全国平均6.1%、最高6.6%を記録した。
tvNドラマ『暴君のシェフ』は、毎週土・日曜日の午後9時10分に放送される。