OTT時代でも輝きを失わない劇場の価値――『F1/エフワン』が証明
OTTプラットフォームが好調な現代でも劇場の存在意義は依然として高い。
公開から60日が経っても観客の熱い支持を受け続ける『F1/エフワン』がそれを明確に物語っている。主演であるハリウッドの看板俳優ブラッド・ピットが、最下位F1チームのベテランドライバーを演じるレーシング映画として、圧倒的な支持を集めている。

『F1/エフワン』は、かつて伝説と謳われたものの頂点にまで達しなかったベテランレーサー、ソニー・ヘイズ(ブラッド・ピット)が窮地に陥った最下位F1チームに加入し、天才的新人ドライバー、ジョシュア・ピアース(ダムソン・イドリス)と共にチームを牽引する挑戦を描く作品である。
『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー監督と、映画音楽の巨匠ハンス・ジマーの合作である本作は、ブラッド・ピットに加え、ダムソン・イドリス、ケリー・コンドン、トビアス・メンジーズ、キム・ボドゥニア、ハビエル・バルデムといった実力派俳優が出演し、完成度をさらに高めている。
OTT配信と並行して、劇場興行でも3位を維持する持続的な人気
『F1/エフワン』は、劇場で観るべき作品と評価されている。
今年最高の興行収入を記録した本作は、過去5年間に公開されたハリウッドオリジナル実写映画の中で最高のスタートダッシュを記録した。
韓国のCGVゴールデンエッグ指数99%、ネイバー実観客スコア9.05点という圧倒的な数字を叩きだし、驚異的な興行力を発揮している。
6月25日に国内劇場で公開された『F1/エフワン』は、公開後も興行ランキング上位を堅持している。
28日、韓国映画振興委員会(KOFIC)の統合電算網によれば、27日に4万3,317人の動員で興行ランキング3位を獲得し、累計動員数は458万9,042人に達している。
停滞していた夏の劇場市場に新たな活力を与えた作品だ。
最近IMAXで再公開された『F1/エフワン』は、グローバル興行収入6億ドル(約889億300万円)突破目前で、ブラッド・ピット出演作の中で最高の成績を示している。
シネマスコアA、ロッテン・トマト観客評価97%を獲得し、これまでで最もリアルなレーシング映画として高い評価を受けている。
また、IPTVやOTTを利用したオンラインストリーミングが開始され、家庭でも本作の迫力を楽しむことができる。同日に、オンライン上映館統合電算網によれば、本作は市場占有率29%で首位、2位は『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』となっている。さらに、9月5日からApple TV+でプレミアムVODとしても配信される。
知ればより味わえる『F1/エフワン』の見どころ
本作の最大の魅力は、心拍数を高鳴らせるカーアクションにある。
プロデューサーのジェリー・ブルックハイマーは「ジョセフ・コシンスキー監督はリアリティを重視し、史上最高のレーシング映画を目指した」と語っている。
ブラッド・ピットとダムソン・イドリスは、実際のサーキットで時速300km以上の高速走行を体験し、その躍動感とリアリティを見事に表現している。

実際のグランプリ開催週末に撮影されたシーンでは、世界トップクラスのドライバーと肩を並べ、迫力あるトラックシーンが収められていることが、本作の特筆すべき点だ。
単なるレーシング映画に留まらず、感動とユーモアを交えたアンダードッグストーリーが物語に深みを加えている。
最下位F1チームの成長物語を誠実に描写し、作品の完成度を高めた点が印象的だ。劇中、APXGPはソニー・ヘイズの加入を契機に変革し、新人ドライバーのジョシュア・ピアースとの熾烈な競争を経て、一つのチームへと成長していく。
登場人物間の微妙な感情の変化や、対立と協力、挫折からの克服、そして信頼へと繋がる関係性が丁寧に描かれている。
疾走するシーンの中で芽生えるロマンスも、本作のもう一つの魅力である。
苦戦するAPXGPの技術監督ケイト(ケリー・コンドン)は、新たに加入したベテランドライバー、ヘイズと共にチームの危機を乗り越えていく。

チームの危機を共に克服する過程で、二人は次第に互いに理性的な魅力を感じ、その恋愛描写が作品の緊張感と感情を絶妙に調和させ、観客の心を掴む。
『F1/エフワン』は、現在全国の劇場で公開、OTTプラットフォームで配信中だ。