MBC故オ・ヨアンナ気象キャスター事件、同僚が法廷で「良好な関係だった」と発言、職場いじめは否認
昨年9月に死去した韓国のテレビ局MBCの気象キャスター故オ・ヨアンナ氏を巡る事件の初回弁論において、加害者とされた同僚気象キャスターが、いじめ容疑を全面的に否認した。
今月22日、ソウル中央地裁・民事48部(ペク・ドギュン裁判官)は、オ氏の遺族がA被告を相手取りに提起した損害賠償請求訴訟の初回弁論を開いた。この場で、両者は職場いじめの有無や死亡原因を巡り激しく対立した。
A被告の訴訟代理人は「A被告がオ氏に対して職場いじめを行った事実はなく、そして被告の行為がオ氏の死亡に直結したという主張は事実を歪曲するものである」と強く反論した。
さらに「オ氏は死亡前までA被告と良好な関係を維持しており、個人的な事情や悪質コメントに苦しんでいた状況を考えれば、彼女の死亡とA被告の因果関係を認定するのは困難だ」と主張した。

これに対し遺族側は、「たとえ二人の間に一見良好な会話があったとしても、A被告がオ氏に対していじめを行っていた事実や、彼女が精神的な苦痛を訴えていたことは変わらない」として、A被告側の主張を退けた。
遺族側は「親しい仲であるかのように見える会話は、単に職場で上司の機嫌を損ねないためのものであり、決して良好な関係があったとは言えない」と強調した。
これに先立ち、今年5月に韓国・雇用労働部はMBCを対象として行った特別労働監督の結果を発表し、オ氏に対する職場でのいじめは認められたものの、オ氏が労働者として法的に認定されなかったため、MBC側に対する労働基準法違反の適用は困難とされた。
遺族の訴訟代理人はこの点について、「本件の主旨は、オ氏の死亡過程においてA被告のいじめがあったという点にある」と述べた。そして、「彼女がMBCの労働者であることが認められると判断し、職場いじめを理由に請求したが、雇用労働部の監督結果により労働者であるか否かの補完が必要となったため、今後予備的に一般的ないじめが原因の死亡であることを追加するか検討する予定である」と述べた。
A被告側は「遺族側の主張は、オ氏とA被告の関係、行為内容、当時の状況、全体的な会話の文脈を十分に考慮せず、一部の対話のみを切り取ったものである」と反論した。
裁判所は、A被告側の反駁書面提出及びオ氏遺族側の追加証拠提出のため、9月23日に再度弁論期日を設けることにした。