「事実の摘示ではなく、単なる意見に過ぎない」…YouTuberのPPKKa側、1審で責任否認
動画配信者「果汁セヨン」に対し名誉毀損で提訴されたYouTuber、PPKKa側は「問題となった動画の内容は個人的な意見を表明したことに過ぎない」と主張し、法的責任を否認した。裁判所は両側の主張を確認し、本格的な法理論を巡る争いに突入した。
今月22日、ソウル中央地方裁判所・民事1005単独事件(イム・ボクギュ部長裁判官)の初回弁論期日が開かれ、果汁セヨンがPPKKaを相手取って提起した損害賠償請求訴訟の審理が進められた。この日の裁判には、原告・被告ともに出廷せず、両側の法定代理人のみが出席し、それぞれの立場を述べた。

被告側代理人である法務法人「ヒョンダプ」のチョ・イルナム弁護士は「問題の動画は既存のニュース報道およびオンラインでの反応を引用し、そこに自身の個人的な意見を付け加えた形式に過ぎず、事実の摘示を意図したものではない」と主張した。さらに、「一部の侮辱的な表現については裁判所の判断を仰ぐ」と述べた。
「ラスベガスでの賭博や性行為を示唆…精神的被害が深刻」
果汁セヨン側は、去年9月4日にソウル中央地方裁判所にて3,000万ウォン(約319万9,795円)相当の損害賠償請求訴訟を提起した。
果汁セヨンは、PPKKaが自身のYouTubeチャンネルで「果汁セヨンが金銭的な対価を受け取って性行為を行い、アメリカ・ラスベガスで賭博をした」と発言したと主張した。
彼女は、これらの発言により深刻な社会的烙印と精神的な苦痛を受け、不眠症に悩んでいると明かした。
法務法人「リウ」に所属しているチョン・ギョンソク弁護士は「相手側が裁判期日の直前に反論書面を提出したため、現段階では具体的な内容を確認できていない」と述べ、「相手方の主張は本件の容疑を認める趣旨ではなかった」とし、今後の攻防における緊張感を示した。
今回の訴訟は当初、先月16日に初回審理が予定されていたが、PPKKa側がその3日前に期日変更申請書を提出したため、日程が変更された。PPKKaはさらに一度、遠隔映像口述審理を求めたが、裁判所はこれを認めなかった。
「ディスカバリー制度を通じて実名を把握…『匿名YouTuber』戦略に亀裂」
現在、登録者数が110万を超えるYouTuberであるPPKKaは、黒いゴーグルで顔を隠し、氏名や年齢、住所などの身元情報を伏せて活動してきた。しかし、今回の裁判を通じ、いわゆる「匿名コンテンツ制作者」としての戦略に限界があるとの分析が浮上している。
チョン弁護士は、アメリカ・カリフォルニア北部地方裁判所を通じて「ディスカバリー制度」を活用し、Googleの本社に対してPPKKaの身元情報の開示を請求した。その結果、被告の実名、生年月日、住所、メールアドレス、電話番号、YouTubeアカウント情報などが把握され、これらすべてがこの訴訟における主要証拠として裁判所に提出されたとされている。
一方、裁判所は両方からの追加書面提出の有無を検討した上で、次回の弁論期日を調整する予定だ。オンライン上の無分別な人身攻撃と匿名性の境界に対する法的判断が注目される中、本件はコンテンツ表現の自由と被害者保護の狭間で、重要な先例となる可能性がある。
