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韓国釜山(プサン)海雲台区(ヘウンデ区)の高級ホテル「バンヤンツリー」の建設現場で火災が発生し、作業員6人が死亡する事故が起きた。遺族は、工事を請け負った企業の対応を非難している。
犠牲者の一人である40代の作業員A氏は、昨年12月に結婚したばかりだった。人材派遣会社を通じて現場に配属されていたが、まだ婚姻届を提出しておらず、海外にいる妻はビザの関係で入国できない状況だという。
遺族は、「元請け業者は誠意ある対応をしていない」と批判し、「金文洙(キム・ムンス)厚生労働大臣が弔問に訪れたのに、工事を請け負った企業の代表は姿を見せなかった」と非難した。
14日午前10時51分、韓国釜山(プサン)機張郡(キジャン郡)のオシリア観光団地内にある建設現場で火災が発生し、作業員6人が死亡、27人が煙を吸うなどの軽傷を負った。消防当局は約8時間後の午後6時53分に鎮火した。
警察は17日、国立科学捜査研究院による犠牲者6人の解剖を実施すると発表した。全員がB棟1階で意識不明の状態で発見され、病院に搬送後、死亡が確認された。死因の解明には約2週間を要する見込みだ。
16日に行われた合同鑑識の結果、出火元はB棟1階の配管保守室(PTルーム)と特定された。警察は現場で回収した携帯電話やヘルメットなど10点の証拠物を分析しており、施工業者の三政企業が提出した溶接許可書や工事契約書など20点以上の書類も調査している。
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警察は作業員の証言や防犯カメラの映像を基に出火原因の解明を進めており、施工業者、現場責任者、作業員らへの捜査を行う方針だ。また、スプリンクラーを含む消防設備の設置状況や作動の有無についても、詳細に捜査する予定だ。
今回の火災事故で命を落とした6名は、それぞれ異なる下請け業者に所属していた。
工事現場は重大災害処罰法の適用対象であることが確認されており、釜山労働局は施工業者の三政企業や事業主であるルペンティスコンソーシアムを含む関係業者全般について、同法違反の有無を調査している。