パク・チャヌク監督、全米脚本家組合から除名
韓国の映画監督パク・チャヌクに、全米国脚本家組合(WGA)から除名されるという重大な決定が下された。
今月8日(現地時間)、海外メディア「バラエティ」は全米国脚本家組合がコメントを発表し、2023年のストライキ期間中にHBOミニシリーズ『シンパサイザー』の脚本執筆を担当したパク・チャヌク監督と俳優ドン・マッケラーを会員から除名したと報じた。

二人は、ベトナム系アメリカ人作家ヴィエット・タン・グエンによる、1970年代のベトナム戦争を背景とした同名小説を原作として、7部作のシリーズ『シンパサイザー』を共同制作した。この作品は2024年4月に放映された。
全米国脚本家組合は、彼らの具体的なストライキ規定違反についての詳細は公開されなかったが、二人がこの決定に対して異議を唱えなかったと伝えた。
現地の報道によると、パク監督とマッケラーが全米国脚本家組合のストライキに参加せず、ミニシリーズの脚本および制作作業を継続したことが除名の主な原因であるとされる。さらに、海外メディア「Deadline」は、「除名の決定は二人が大きな一線を越えたためで、極めて著名な会員である彼らに対して下せる最も厳しい処分だ」と説明している。
ストライキ規定違反とその影響
全米国脚本家組合は、既に2023年のストライキ期間中に規定違反を行った7名の会員に対し懲戒処分を実施したことがある。
そのうち4名は異議申し立ての際に名前が公開されたが、残りの3名は今回の発表前までは身元が明らかにされなかった。
全米国脚本家組合は、映画、TV、デジタルコンテンツの分野で活動する1万1,500名の作家が所属する大規模な労働組合である。
この組合は、ストリーミング時代及びAIの導入に対応した報酬体系の改革、著作権保護の強化、労働環境の改善などを要求し、映画俳優組合・米テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)と共に、2023年5月から長期のストライキを実施している。
その結果、ユニバーサル・ピクチャーズやNetflixなどの全米映画テレビ制作者協会(AMPTP)から、基本給やストリーミング再放送分配金の引き上げなどに関して和解に至る合意を引き出すことに成功した。
「バラエティ」は、今回の除名決定がパク・チャヌク監督とマッケラーに大きな打撃を与えると予測している。特に、ウォルト・ディズニー・カンパニー、HBO、Netflixなど全米国脚本家組合と契約した大手制作会社のプロジェクトに参加できなくなることで、今後ハリウッドでの活動に大きな制約が生じると見られる。