
アメリカで15年ぶりに「銃殺刑」が執行される見通しだ。
「AP通信」など海外メディアの報道によると、3月7日に死刑執行予定のブラッド・シグモン(67)が自身の処刑方法として銃殺を選択したという。
アメリカでは過去15年間、銃殺刑の執行はなく、1976年以降銃殺で処刑された死刑囚はわずか3人だった。最後に銃殺刑が執行されたのは2010年であり、この方法は最も残虐な処刑方法として批判されてきた。
シグモンが収監されているサウスカロライナ州では、死刑囚に薬物注射、電気椅子、銃殺の3つの執行方法が提示されている。
政治学者オースティン・サラットの研究によると、これまで最も多くの死刑が執行されたのは電気椅子だった。しかし、シグモンは弁護士を通じて「電気椅子は自分を生きたまま焼き尽くす」として、この方法を拒否した。
また、薬物注射方式の失敗率は高く、過去1054回の執行中75回が失敗し、その確率は7.12%に達するという。
一方、銃殺の失敗率は0%とされている。銃殺刑は刑務所職員3人が実弾を装填した銃で、約15フィート(4.6m)の距離から受刑者の心臓などを狙って発射する方式だ。
シグモンは2001年、元交際相手の両親を殺害した罪で有罪判決を受けた。彼は元交際相手の家に無断侵入し、両親を殺害した後、元交際相手を銃で脅して誘拐した。取り調べでは、「彼女を手に入れられなかったし、他の誰かに渡すつもりもなかった」と供述している。

一方、アメリカ国内では死刑制度とその執行方法をめぐる論争が続いている。
人権団体は特に非人道的な処刑方法に強く反対しており、多くの州がすでに死刑制度を廃止または執行を停止している。しかし、一部の州では依然として死刑が存続しており、薬物不足の問題を背景に、銃殺など過去の処刑方法を再検討する動きが広がっている。
サウスカロライナ州は近年、薬物供給不足により薬物注射による執行が困難になり、代替手段として電気椅子と銃殺を選択肢として導入しているが、これらの方法は依然として賛否が分かれている。こうした状況の中、シグモンの銃殺刑執行は、アメリカ国内の死刑制度のあり方と倫理的問題を再び浮き彫りにしている。